「東京エレクトロンは顔採用らしい」。半導体メーカーの採用を調べていると、こうした噂に行き当たることがあります。同じ半導体・電子部品の分野では、ロームや村田製作所にも同じ話が出ます。
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ただ、東京エレクトロン(TEL)を公式資料で調べると、噂が成立する前提そのものが見当たりませんでした。順番に見ていきます。
東京エレクトロンの新卒採用は総合職のみで、一般職・事務職という区分がありません。公式データによる日本国内の女性比率は14.9%。「一般職に女性が多く、揃って見える」という、顔採用の噂が立つときの典型的な条件がそろっていません。
新卒採用に一般職の区分が無い
東京エレクトロングループの新卒採用サイトに掲載されている募集職種は、次の9つです。すべて総合職としての募集です。
- 装置開発/設計/要素研究
- メカエンジニア
- ソフトエンジニア(AIエンジニアを含む)
- エレキエンジニア
- プロセスエンジニア
- フィールドエンジニア
- セールスエンジニア(営業)
- 製造エンジニア
- 管理・間接系職
ここが重要な点です。当サイトが調べてきた範囲では、顔採用の噂が集まるのは「総合職とは別の職種区分がある会社」に偏っています。一般職、事務職、エリア職。呼び方は違っても、転勤が無く女性比率の高い区分があると、そこに噂が立ちます。
東京エレクトロンにはその区分がありません。管理・間接系職も総合職の中の職種であり、別枠ではありません。
初任給に職種による差が無い
募集要項に掲載されている初任給です。
| 学歴 | 初任給(月給) |
|---|---|
| 博士了 | 329,200円 |
| 修士了 | 291,000円 |
| 学部卒・高専専攻科卒 | 275,800円 |
| 短大卒・高専本科卒 | 234,600円 |
分かれているのは学歴だけで、職種による差がありません。ユアサ商事のように総合職と一般職で月4万円の差がつく会社とは、設計が違います。区分が1つしかないので、差のつけようがないという言い方もできます。
公式データで見る従業員構成
東京エレクトロンはサステナビリティデータを公開しています。FY2025の数字です。
| 項目 | 日本(単体) | 連結 |
|---|---|---|
| 従業員数 | 10,488名(正社員9,847名・非正社員641名) | 18,893名 |
| 女性従業員比率 | 14.9%(1,618名) | 記載なし |
| 女性管理職比率 | 3.3%(77名) | 6.4%(253名) |
| 平均勤続年数 | 15年10ヶ月 | — |
女性比率14.9%という数字は、「美人が多い」という噂の前提と噛み合いません。噂が立つ会社では、特定の区分に女性が集中していて、その集団が外から見て揃って見えることが出発点になります。10人に1.5人という比率では、その見え方自体が起きにくい。
平均勤続年数15年10ヶ月も、採用時の見た目より定着のほうが会社の関心事であることを示しています。
選考フローに見た目が入る場面はあるか
公式に示されている選考の流れです。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 1 | エントリー |
| 2 | 説明会・座談会イベントへの参加 |
| 3 | SPI受験 |
| 4 | 応募書類の送付 |
| 5 | ジョブマッチング(面接1〜3回) |
| 6 | 内々定 |
特徴はSPIが書類より前に来ることです。写真を貼った書類を出すより先に、適性検査で絞られます。そのあとの「ジョブマッチング」という呼び方も、人物の総合評価ではなく職種との適合を見る設計であることを示しています。
応募資格は2027年3月卒業予定者および既卒3年以内、全学部全学科対象。採用予定は300名(大学生・高専生を含む)です。採用予定人数が300名という規模で、容姿を基準に絞る運用は現実的ではありません。
それでも面接で見られていること
顔立ちは関係ありませんが、面接で印象が評価に影響しないわけではありません。エンジニア職でも、配属後は顧客先や海外拠点とやりとりします。
- 清潔感——製造業の面接は清潔感の基準が保守的です(面接前日のチェックリスト)
- 話し方——技術を専門外の相手に説明できるか。フィールドエンジニアやセールスエンジニアでは特に見られます(話し方・声・姿勢)
- 表情——ジョブマッチングは対話の場です。無表情は損をします(表情の作り方)
同じ半導体・電子部品の分野で噂が立っているロームと村田製作所は、東京エレクトロンとは採用区分の作りが違います。比べて読むと、噂がどこから来ているかが見えます。
確認できなかったこと
- 職種別の男女比——全社の女性比率は公表されていますが、9職種ごとの内訳は出ていません
- 応募者数と倍率——公表されていません。採用予定300名という数字だけが公開されています
- 男女の賃金差異——サステナビリティデータには記載がありませんでした
よくある質問
- 東京エレクトロンに事務職はありませんか。
- 新卒採用サイトの募集職種に、事務職・一般職という区分はありません。「管理・間接系職」がありますが、これは総合職の中の職種のひとつです。
- 文系でも応募できますか。
- 募集要項に全学部全学科対象と書かれています。セールスエンジニアや管理・間接系職は文系からの応募も想定された職種です。
- 女性比率が低いのは女性が受かりにくいということですか。
- 公表されているのは在籍者の比率で、応募者に対する合格率ではありません。理工系学部の男女比が反映されている可能性のほうが高く、選考での扱いを示す数字ではありません。
- SPIが書類より先なのはなぜですか。
- 理由は公表されていません。ただ結果として、写真つきの書類を見る前に適性検査で母集団が絞られる流れになっています。
まとめ
- 東京エレクトロンの新卒採用は総合職のみ。一般職・事務職の区分が無い
- 初任給の差は学歴だけで、職種による差が無い
- 日本国内の女性比率は14.9%。「特定区分に女性が集中して揃って見える」という噂の前提が成立しない
- 選考はSPIが応募書類より先。採用予定300名という規模でもある
- 整えるべきは清潔感と、技術を専門外の相手に説明できる話し方