「住友三井オートサービスは顔採用があるらしい」「一般職は美人が多い」。就職活動中にこうした噂を見て、応募をためらっていませんか。
公式の採用サイトとESGデータ集を調べたところ、噂の前提になっている「一般職」という区分が、そもそも存在しませんでした。順に見ていきます。
新卒採用はゼネラリスト職の1区分だけで、全員が国内外転勤ありです。それでいて従業員の女性比率は43.7%。「転勤のない一般職に女性を集めている」という顔採用の典型的な噂の構造が、この会社では成立しません。
新卒採用は「ゼネラリスト職」の1区分だけ
採用サイトの新卒募集要項に載っている区分は、ゼネラリスト職のひとつだけです。一般職・事務職・エリア職といった別枠はありません。
ゼネラリスト職として配属される職種は、募集要項にこう書かれています。
営業、営業企画、経営企画、サービス、審査、システム、経理、財務、総務、人事 ほか。事務系の仕事もすべてこの1区分の中にあります。
当サイトが調べてきた範囲では、顔採用の噂が集まるのは「総合職とは別の職種区分がある会社」に偏っています。村田製作所やローム、岩谷産業がその型です。住友三井オートサービスは、その条件を満たしていません。
全員に転勤がある
ここが噂と最も食い違う点です。募集要項に、勤務地はこう書かれています。
| 項目 | 記載内容 |
|---|---|
| 勤務地 | 東京・大阪本社および支店 ※国内外転勤有り |
| 転勤地域 | 東京・大阪本社および全国37か所の支店、海外(タイ・オーストラリア・インド・インドネシア) |
| 転勤サイクル | 平均して5〜6年で他の部支店に異動するケースが多い |
| 必要資格 | 普通自動車運転免許(入社時までに取得必須) |
「一般職=転勤がなく、地元で働ける枠」という前提が噂の出発点になりますが、この会社にはその枠がありません。海外転勤の可能性まで明記されています。
公式データで見る従業員構成
ESGデータ集で公開されている数字です(2024年度・翌年度4月1日時点、SMAS単体)。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 従業員数 | 2,081名(男性1,171名・女性910名) |
| 女性比率 | 43.7% |
| 管理職 | 300名(うち女性27名) |
| 女性管理職比率 | 9.0%(2027年度目標は40人・15%) |
| 平均年齢 | 全体42歳6ヶ月(男性45歳4ヶ月・女性38歳10ヶ月) |
| 平均勤続年数 | 全体13.6年(男性14.8年・女性12.1年) |
| 男女間賃金格差 | 58.7% |
女性比率43.7%は、一般職を持つ会社と同じくらいの水準です。ただし区分が1つしかないので、そこに女性が集まっているわけではありません。
年代別の内訳を見ると、噂のイメージとの差はもっとはっきりします。
| 年代 | 人数 |
|---|---|
| 20代 | 376名 |
| 30代 | 403名 |
| 40代 | 624名 |
| 50代 | 513名 |
| 60代〜 | 130名 |
40代以上が全体の約6割です。「若くてきれいな社員が並んでいる会社」という噂の絵とは、そもそも構成が違います。
本当に見るべき数字は別にある
顔採用の噂よりも、応募を判断するうえで重要な数字がこのデータには出ています。
- 男女間賃金格差58.7%——男性の給与を100としたときの女性の水準です。平均年齢が男性45歳4ヶ月・女性38歳10ヶ月と6年半離れていることと、管理職の女性が9.0%であることが影響していると考えられます
- 新卒採用の女性比率46.9%(2024年度、49名中23名)——入口はほぼ半々です。過去4年では36.1%→59.5%→62.3%→46.9%と動いています
- 育児休暇取得率——女性100%、男性25.8%
「見た目で採られるのでは」という不安より、入社後に何年働けて、どこまで上がれるのかのほうが、実際の生活に効いてきます。数字はどちらも公開されています。
選考で見られていること
公式に示されている選考の流れです。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 書類選考(エントリーシート、卒業見込証明書、成績証明書、健康診断書) |
| 2 | Webテスト(能力・適性) |
| 3 | 面接(複数回) |
募集学科は全学部全学科、初任給は総合職(4大卒)で285,000円(2026年4月予定)です。応募資格に容姿に関する記載はありません。
面接で印象が評価に影響しないわけではありませんが、それは顔立ちではなく整えられる部分です。
- 清潔感——法人営業が中心の会社なので基準は保守的です(面接前日のチェックリスト)
- 話し方と声——顧客企業の担当者と長く付き合う仕事です(話し方・声・姿勢)
- 表情——面接は複数回あります(表情の作り方)
確認できなかったこと
- 応募者数と倍率——公表されていません。新卒採用者数(2024年度49名)は出ていますが、母数が出ていないため倍率は計算できません
- 職種別の男女比——区分が1つなので職種区分別の内訳はありませんが、配属先ごとの男女比も公開されていません
- 選考の評価項目——募集要項に評価基準の記載はありません
よくある質問
- 住友三井オートサービスに一般職はありませんか。
- 新卒採用の募集要項に載っている区分はゼネラリスト職のひとつだけです。経理・総務・人事といった事務系の職種も、この区分の中に含まれています。
- 転勤は避けられませんか。
- 募集要項に「国内外転勤有り」と明記されています。転勤地域は全国37か所の支店と海外4か国、平均5〜6年のサイクルと書かれています。地域限定の区分は公開されていません。
- 女性比率が43.7%あるのは女性が採用されやすいということですか。
- 在籍者の比率であって、応募者に対する合格率ではありません。新卒採用の女性比率は年度によって36.1%〜62.3%と大きく動いています。
- 運転免許は本当に必要ですか。
- 募集要項に「入社時までに取得を必須としています」と書かれています。オートリースを扱う会社なので、これは実務上の要件です。
まとめ
- 新卒採用はゼネラリスト職の1区分のみ。一般職・事務職の枠がない
- 全員が国内外転勤あり。全国37拠点と海外4か国、平均5〜6年サイクル
- 女性比率43.7%だが、区分が1つなので「特定の枠に女性が集まる」構造がない
- 40代以上が約6割。噂のイメージと年齢構成が合わない
- 公開データで注目すべきは男女間賃金格差58.7%と女性管理職比率9.0%のほう